【抜け毛がひどい?】
正常脱毛と異常脱毛の見分け方、薄毛の原因から対策までを徹底解説

その原因と対策を徹底解説
「最近、抜け毛がひどくなっている気がする」
「洗面所やお風呂場、フローリングの床に抜け毛が目立つ」
抜け毛がひどいとお悩みの方は、その原因や対策を知りたいことでしょう。
毛髪は定期的なサイクルで抜け落ちる仕組みになっています。そのため、ある程度髪の毛が抜けることは自然なのですが、髪をとかしたり、シャワーを浴びたりする度に、抜けていく髪の毛の量が心配になってしまう方も多いです。
そこで今回は、薄毛にお悩みの方に向けて、NPO法人薄毛対策協会が抜け毛対策について解説していきます。
抜け毛がひどくて気になっている方、抜け毛の対策を必要とされている方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読めば、抜け毛の原因がわかり、効果的な薄毛対策ができます。
抜け毛とは?正常な抜け毛と異常な抜け毛がある

抜け毛は自然な髪のライフサイクルで起こります。2~6年かけて成長した髪は、徐々に退行期に入り、やがて髪は抜けていきます。そしてまた、新しい髪が生えるというサイクルです。

つまり、髪が抜け落ちることは普通に起こることなのです。
ただし、髪が抜ける量が多い場合や抜ける髪が細く短い場合は注意が必要です。
では、正常な抜け毛と異常な抜け毛にはどのような違いがあるのでしょうか?
正常な抜け毛とは?
正常な抜け毛の本数は、1日当たり50~100本程度です。抜ける髪の状態は、太く長いものが多く、根元はマッチの先のようにぷっくりと膨らんでいます。
このような抜け毛は、正常な状態と言えます。特に心配の必要はありません。
どうしても気になる方は、この後に紹介する生活習慣の改善やストレス発散などに取り組んでみましょう。
異常な抜け毛とは?
異常な抜け毛の本数は、1日当たり100本を大きく上回ります。抜ける髪の状態は、細く短いものが多く、根元はふくらみがなかったり、尖ったりしているものもあります。
このような抜け毛は、異常な状態と言えます。なんらかの脱毛症が疑われます。ただちに抜け毛の原因を特定するとともに、適切な対策を取る必要があります。
なぜなら、適切な対策が遅れると、薄毛を改善するために時間やお金が余計にかかってしまうからです。
それでは、抜け毛の原因について解説していきます。
抜け毛がひどい!その原因とは?

抜け毛がひどいと感じる場合、下記のような原因が考えられます。抜け毛の主な原因は、以下の5つです。
- AGA(男性型脱毛症)
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- ヘアスタイルやカラーリング
- 加齢
それぞれを解説します。
AGA(男性型脱毛症)
抜け毛の主な原因1つ目は、AGA(男性型脱毛症)です。
AGAは、日本人男性の3人に1人が発症する進行性の薄毛症状です。体内の男性ホルモンのバランスが崩れ、髪の成長サイクルが短くなることで、細く短い状態の髪が抜け落ちるようになっていきます。

AGAは進行性の病気であるため、適切な治療を受けなければ薄毛の進行を抑えることはできません。頭皮マッサージにお金を払っても、高い育毛剤を使っても、AGAだった場合はほとんど意味がありません。
そのため、抜け毛の原因がAGAかどうかを早期に診断することが大切です。
抜け毛がひどいと感じる原因がAGAであるならば、早期治療がもっとも有効な対策となります。AGAは放っておいても改善することはありません。治療が遅くなるほど、薄毛を改善するための時間もお金も余計にかかってしまいます。
20代の方であっても10%がAGAを発症することがわかっています。まだ若いからといって抜け毛を放置せず、適切な診断を早めに受けておきましょう。
日本皮膚科学会ガイドライン:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
生活習慣の乱れ
抜け毛の主な原因2つ目は、生活習慣の乱れです。
生活習慣の乱れとは、主に以下のようなことをいいます。
- バランスの悪い食生活
- 睡眠不足
- 運動不足
- 喫煙・飲酒
バランスの悪い食生活
髪の成長には、タンパク質やミネラル、ビタミンなどが欠かせません。こうした栄養が不足すると、髪の健やかな成長が阻害されます。インスタント食品や外食が多い方は、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
睡眠不足
睡眠時には、成長ホルモンが分泌されます。睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が不足すると、髪が充分に育つことができず抜け毛が増えてしまいます。
運動不足
髪の栄養は頭皮の毛細血管によって運ばれます。血行が悪くなると、髪に栄養が届きにくくなり、髪が抜けやすくなってしまいます。
運動不足になると全身の血流が悪くなったり、成長ホルモンの分泌も低下してしまいます。髪の健やかな成長のためにも、ウォーキングやジョギング、ストレッチなど、適度な運動を継続的に行うようにしましょう。
喫煙・飲酒
喫煙や飲酒も身体にはもちろん、髪にも良い影響はありません。特に喫煙は全身の血流を悪くするため、ぜひ禁煙を心がけましょう。お酒の飲み過ぎも、肝臓に負担がかかり栄養バランスが乱れたり、血流が悪化する原因となります。節酒、もしくは禁酒することが望ましいです。
抜け毛を防ぐために生活習慣を改めることは、心身の健康にも非常に良いことばかりです。メリットが大きいので、できるところから少しずつ生活習慣を改めていきましょう。
ストレス
抜け毛の主な原因3つ目は、ストレスです。
ストレスは自律神経のバランスを崩し、血流や呼吸、睡眠などに大きな影響を及ぼします。活発な作用を持つ交感神経と、おだやかな作用を持つ副交感神経は、互いにアクセルとブレーキのような役割で心身の調子を整えています。
しかし、このバランスが崩れてしまうと、血流が悪くなったり、熟睡できなくなったりします。ストレスを感じると血管が収縮して髪に栄養が届きにくくなったり、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌も減少します。 抜け毛を防ぐためには、ストレスを減らしていくことが大切です。常に忙しくプレッシャーを感じやすい仕事をされている方や複雑な人間関係で悩みがちな方は、休日に運動や趣味でストレスを発散したり、旅行やおしゃべりを楽しんだりして気分転換を図るようにしましょう。
ヘアスタイルやカラーリング
抜け毛の主な原因4つ目は、ヘアスタイルやカラーリングです。
髪を強く縛ったり、いつも同じ位置に分け目をつけたりしていると、髪が抜けやすくなって薄毛になる場合があります。カチューシャやヘアバンドを使わないようにしたり、ポニーテールなどの縛る髪型を変えたりしてみましょう。
また、パーマやカラーリングも頭皮にダメージを与えがちです。できるだけ自然で髪に負担の少ないヘアスタイルを楽しむようにしていきましょう。
加齢
抜け毛の主な原因5つ目は、加齢です。
加齢によって、髪はだんだん細くなったり、抜けやすくなったりしていきます。加齢を止めることはできませんが、髪が抜けにくいように対策することは可能です。
上記で紹介したような生活習慣の改善やストレスの軽減、ヘアスタイルの工夫などで、加齢に負けない健康な髪を維持していきましょう。
抜け毛の対処法

抜け毛の原因がわかったら、その対策を講じていきましょう。
抜け毛の対処法は、正常な抜け毛なのか、異常な抜け毛(AGA)なのかによって変わります。
それぞれを解説します。
正常な抜け毛の場合
AGAが要因ではない場合、ほとんどが正常な抜け毛といえます。1日に50~100本程度の抜け毛は自然に起こることなので、あまり心配をせず生活習慣を改善したり、髪型に変化をつけるなどして髪に負担がかからないようにしましょう。
それでも抜け毛が心配な場合は、一度薄毛治療の専門医に相談してみても良いかもしれません。
異常な抜け毛の場合
1日に100本以上の抜け毛がある場合、AGAの進行が疑われます。前頭部や頭頂部にかけて薄毛が目立つ場合は、AGAの可能性が高いです。
抜けた髪が細く短い場合、髪の根元にふくらみがなかったり尖っている場合も、AGAが疑われますので早めに薄毛治療の専門医に相談してみましょう。
女性の場合は、頭部全体が薄毛になっていくびまん性脱毛症の場合があります。びまん性脱毛症は、加齢や女性ホルモンの減少が原因となりますので、生活習慣を改善しつつ、心配な場合は薄毛治療の専門医に相談してください。
その他にも、強いストレスや精神的なバランスの崩れから円形脱毛症を発症している場合もあります。局部的に薄毛になっている場合は円形脱毛症が疑われます。まずは皮膚科医に相談しましょう。
異常な抜け毛は、何らかの脱毛症が原因と考えられます。早めに医師の診断を受けて適切な治療を開始することが大切となります。
薄毛でお悩みの方は、まずは薄毛治療の専門医へ相談してみましょう。
専門医でできる薄毛治療とは?

薄毛治療の専門医では、医学的根拠に基づいた効果的な治療が行えます。
薄毛治療の代表的な方法としては、以下の3つがあります。
- 内服薬治療
- 外用薬治療
- 自毛植毛
それぞれを解説します。
内服薬治療
AGAの治療で用いられる内服薬には、AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を作り出す5α還元酵素を阻害する効果があります。
AGAの内服薬治療には、フィナステリドとデュタステリドが用いられます。フィナステリドは5α還元酵素Ⅱ型を阻害します。
一方、デュタステリドは5α還元酵素Ⅰ型・Ⅱ型共に阻害するため、フィナステリドよりも高い効果が期待できます。
AGAは、遺伝的背景と男性ホルモンが原因となって発症します。内服薬治療を行えばAGAの進行を抑制することができます。半年から1年ほどの服用が必要ですが、徐々に抜け毛が減っていき、毛量を回復させることができます。
フィナステリドやデュタステリドを内服する場合は、必ず医師の処方を受けるようにしてください。ネット通販などで入手できる内服薬は、副作用の心配があったり、出所が不明なものが多いです。
医師の処方を受けずに服用した場合、副作用があっても保証されません。また、せっかくお金を払っても効果のない偽物である可能性も高いので、自己判断でAGAの治療薬を内服しないようにしましょう。
外用薬治療
AGAの治療で用いられる外用薬には、ミノキシジルがあります。ミノキシジルには血管を拡張させる効果があります。ミノキシジルを頭皮に塗布することで、毛髪に栄養を送る血流が改善され、髪が生えやすくなっていきます。
薄毛治療においては、内服薬治療と外用薬治療を併用することが多いです。外用薬だけでは、AGAそのものの進行を抑えることができないからです。
内服薬治療でAGAの進行を抑え、外用薬で発毛を促すことで、効果的な薄毛対策ができるようになっています。
なお、外用薬も市販されているものがありますが、副作用が起きたり、品質に問題があったりする場合がありますので、医師の処方を受けることをおすすめします。
自毛植毛
AGA治療では、自毛植毛が効果的な場合もあります。自毛植毛とは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を、組織ごと薄毛になっている部分に移植する外科手術です。
内服薬治療も外用薬治療もAGAには効果的です。しかし、残念ながら薄毛が進行して毛根が死滅してしまった場所には効果がありません。
また、頭皮が傷ついたり、もともと毛髪が生えていない場合にも、AGAの治療薬は役に立ちません。
しかし、自毛植毛なら元気な毛髪を毛根ごと移植するので、薄毛が進行してしまった場所やもともと毛が生えていない場所にも毛髪を生やすことができます。
しかも、定着した毛髪はそのまま生え続けることできるので、半永久的にメンテナンスが必要ありません。散髪やパーマも大丈夫ですし、激しい運動や汗で髪が抜け落ちてしまうこともありません。
AGA治療は、内服薬治療、外用薬治療、そして自毛植毛を組み合わせることで、根本的な解決ができるようになってきています。
抜け毛がひどく、薄毛でお悩みの方は、ぜひお早めに薄毛治療の専門医にご相談ください。
まとめ 【抜け毛がひどい?】<br>正常脱毛と異常脱毛の見分け方、<br>薄毛の原因から対策について

今回は、抜け毛がひどいとお悩みの方へ、正常脱毛と異常脱毛の見分け方、薄毛の原因から対策までを徹底解説しました。
抜け毛にはさまざまな原因が考えられますが、まずは薄毛治療の専門医でAGAの診断を受けることをおすすめします。なぜなら、抜け毛の原因がAGAだった場合、一般的な薄毛対策や育毛剤はほとんど効果がないからです。
AGAは遺伝的背景と男性ホルモンが原因で発症します。AGAだった場合は、まずは内服薬治療と外用薬治療を併用し、必要があれば自毛植毛を行うことで、根本的な改善も可能です。
AGAは進行性の薄毛であるため、早めの対策が効果的です。1日に100本以上の抜け毛がある場合は、異常脱毛の可能性が高いです。
抜け毛がひどいとお悩みの方は、まずは薄毛治療の専門医に相談をしてみてください。